既読を何度も確認してしまうのは、心配性だからではありません。相手の考えが見えないという、情報不足が理由です。 材料が足りないまま考え続けると、人は同じところを回ります。この記事では、待つあいだにできること3つと、追撃メッセージを送らずに夜を終わらせる方法を書きます。
送った。
送ったあと、すぐに画面を閉じました。閉じたのに、二分後にまた開きました。
既読はついていません。
そのあと、何をしていたか覚えていますか。わたしは、たぶんあまり覚えていません。ごはんを食べた気もするし、何かの動画を流していた気もするけれど、内容はひとつも入っていない。入っていないのに、時間だけはちゃんと減っている。
既読を何度も確認してしまうのは、なぜか
情報が足りないからです。性格の問題ではありません。
相手が何を考えているかは見えません。いつ返事が来るかも見えません。見えないものを見ようとするとき、人は手元にある材料を並べ替えます。既読がついた時刻。前回の返信までの時間。文末の句点の有無。スタンプだけだったこと。
材料が足りないまま考え続けると、同じところを回ります。
そして回っているあいだは、回っていることに気づきにくいです。新しいことを考えている感じがするので。
この「回ってしまう」感じそのものについては、誰かに相談したい夜に|答えが出ないまま眠るための3つの条件のほうに、もう少し書きました。
やめようと思ってやめられるなら、たぶんとっくにやめています。なので、この記事では「気にしないようにしましょう」とは書きません。
かわりに、その時間の中身を少しだけ分けます。
既読がつかないことから分かることは、実は少ない
確実に言えるのは「まだ返事が来ていない」だけです。 それ以上のことは、材料としては何も出てきません。
でも頭の中では、たぶんもう少し先まで進んでいます。「怒らせたかもしれない」「重かったかもしれない」「もう終わりなのかもしれない」。
これは想像力の問題ではなくて、空白の埋め方の問題です。 人は空白をそのままにしておけないので、いちばんありそうな話で埋めます。そして夜は、いちばん悪い話がいちばんありそうに見える時間帯です。
「起きたこと」と「考えたこと」を、分けて書く
紙でも、メモアプリでも、頭の中でも構いません。
上に「起きたこと」を書きます。 何時に送った。既読はついていない、あるいはついたけれど返事がない。それだけです。
下に「わたしが考えたこと」を書きます。 怒らせたかもしれない。前も同じことがあった。あのとき言い方がきつかったかもしれない。
書き分けると、下がやたら長いことに気づきます。
わたしは、この長さを見たときの気持ちが、けっこう好きです。落ち込むというより、「あ、こんなに書いていたんだ」と少しおかしくなる。自分を責める材料ではなくて、いま自分が何をしているかが見えるだけの作業です。
上が短いのは、あなたが鈍いからではありません。本当に、材料がそれしかないからです。
返信を待つあいだに、やっておくこと3つ
どれも、相手の行動を変えるためのものではありません。全部、こちら側だけで完結します。 だから確実にできます。
1|送ったメッセージを、読み返さない
読み返すと、必ず直したくなります。
「この言い方はきつかったかも」「絵文字がなかったから冷たく見えたかも」。もう送ってあるので、直せません。 直せないものを検分し続けるのは、けっこう消耗します。
読み返したくなったら、その画面をいったん閉じてください。閉じるだけでいいです。アプリを消すとか、通知を切るとか、大きなことはしなくて大丈夫です。 大きなことをすると、たいてい三十分後に戻します。
2|返事が来たらどうするかを、先に決める
これは、意外と効きます。
来たときに考えると、勢いで返してしまいます。待っていた時間が長いほど、返信は早くなります。 そして早い返信は、たいてい長いです。
だから、先に決めておきます。
来たら、すぐ返すのか。一度置いてから返すのか。何を聞くのか、あるいは何も聞かないのか。
決めておくと、来た瞬間の自分が楽になります。 あの瞬間の自分は、いちばん判断力がありません。うれしいので。
3|確認する回数ではなく、時間を決める
「もう見ない」は、たぶん守れません。
かわりに、「次に見るのは、寝る前」のように時刻を決めます。守れなくても大丈夫です。守れなかったことに気づけるだけで、回っている状態からは半分抜けています。
回数を減らそうとすると失敗して、失敗したことでまた落ち込みます。 それが一番よくないと思うので、最初から時刻にしておきます。
追撃のメッセージを送りそうになったときは、どうするか
送らずに、別のところへ全部書いてから、24時間だけ待ちます。 禁止ではありません。待ってからでも送れます。
「さっきのだけど」「ごめん、変なこと言った」。送りたくなる気持ちは、返事が来ないことより、宙ぶらりんのままでいることのほうがつらいからだと思います。
それは、しがみつきではなくて、終わらせたいだけです。
でも送ったあとに残るのは、たいてい終わりではなく、もう一つの空白です。
送らずに、下書きへ全部書く
書かないでください、とは言いません。書きたいときに書かないのは、けっこう無理があるので。
メモアプリでも、自分宛てのメッセージでもいいです。 長さも、丁寧さも、気にしなくていいです。
書き終えたら、そのまま置きます。そして、明日の同じ時間まで待ちます。
24時間だけです。明日になってもまだ送りたければ、送っていいと思います。
たぶん、半分くらいは送らなくなります。そして送った半分は、本当に送ったほうがよかったやつです。
返信が来ないまま、その夜を終わらせる方法
答えのかわりに、終わりを置きます。 今夜は閉じる、明日の自分に渡す、そして明日の自分は少なくとも寝ている。この3つです。
相手が何を考えているかは、相手にしか分かりません。明日返事が来るかどうかも、いまは分かりません。分からない欄を、正しくない形で埋めないほうが、本当のことには近いです。
寝るだけで見え方が変わることは、わりとあります。魔法ではなくて、単に、判断力が戻るからだと思います。
朝になっても同じことを考えるかもしれません。それでもいいです。昨夜と違うのは、今夜は自分で終わりを決めた、というところだけです。
おやすみなさい。
よくある質問
Q. 既読がつかないのは、避けられているということですか。
A. それは分かりません。 既読がつかない状態から確実に言えるのは「まだ返事が来ていない」だけです。理由を確定させる材料は、こちら側にありません。
Q. 何回まで確認していいですか。
A. 回数を決めるとうまくいきません。回数ではなく「次に見る時刻」を決めるほうが守れます。 守れなくても、気づけた時点で半分抜けています。
Q. 追撃のメッセージは、送らないほうがいいですか。
A. 禁止する必要はないと思います。書いてから24時間置いて、それでも送りたければ送る、で十分です。半分くらいは送らなくなります。